気づかないうちに身体がボロボロに?【慢性炎症】を防ごう!

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そもそも「炎症」とは何なのか?

あなたは「炎症」ということばを耳にしたとした場合、何を思い浮かべるでしょうか?

火傷? 打撲? 切り傷?
それとも、肺炎? 皮膚炎?

「炎症」としてイメージしやすいのは、日常的に起こりやすい「打撲」でしょうか?

どこかに腕などをぶつけてしまったときなどに打撲は起こります。しばらく赤く腫れ、それから青タンになったりして治癒に向かっていきますよね。

あなたもつい最近、打撲を経験したことがあったりするのではないでしょうか?

完全に治癒すると、もはやぶつけてしまったことだとか、打撲があったことすら忘れてしまうわけですが、その過程で「赤くなったり」「腫れたり」する状態が丁度「炎症」が生じている状態に当たります。

「炎症」を簡単に定義づけると?

「炎症」を簡単に定義づけると、『身体になんらかの異変が起こった場合に、免疫機能などが働いて治そうとすること』というように説明できます。

つまり、打撲によって「赤くなったり」「腫れたり」するのは、身体が治癒に向かってはたらいているまさにその時だということですね。

「炎症」って身体を修復するのだったら良いことなのでは?

「それなら炎症って身体を治すはたらきをしているのだから、良いことでしかないのでは?」

そのように思ってしまうのですが、残念ながら良いことづくめではないんです。

例えば、打撲や切り傷といった一時的な「炎症」であれば、比較的短時間で治るため、基本的には問題ないと思われます(問題があっても悪影響は少ない)。

「炎症」は慢性的に生じているときがやばい!

しかし、「慢性的に生じている炎症」ではまったく別の話です。

「慢性炎症」の例としては、肥満や高血圧、他にも、動脈硬化や糖尿病を始めとした生活習慣病や癌などが挙げられます。

身体の中でじわじわと良くないことが起こっているイメージがある症状はだいたい慢性炎症だと思います。

つい先ほど述べた肥満とか高血圧とかも、

「先月の終わり頃に突然肥満になりました!」

「昨日から高血圧なんです……」

といった性質のものではないですよね。

どちらかと言えば、「慢性炎症」は「少しずつ」起こるもの、表現を変えれば、「じわじわと」起こるものであるため、『身体の中でじわじわと良くないことが起こっているイメージがある症状はだいたい慢性炎症』っていうのはイメージだけでいえばあながち間違った話ではないはずです。

慢性炎症の問題点

普通の「一時的な炎症」とは違って、「慢性炎症」だったらやばい!というようにお伝えしたのですが、一体何がやばいのでしょうか?

「慢性炎症」の何が問題なのかというと、「慢性炎症」が生じている場合には、「一時的な炎症」のときと同様に、「炎症を治癒しようとして免疫系が働く」ことになります。

しかし、「一時的な炎症」とは異なり、「慢性的に生じている炎症」であるという性質上どうしても「なかなか治癒に至らない」

そうなると、免疫系は長期間に渡って活動しっ放しになるというわけです。

免疫系が長く活動することのどこが悪いのか?

「風邪をひかないために免疫力を高めよう!」とか世間ではよく言われるので、免疫に対してはあまり悪いイメージはないですよね。

しかし、何事も過度になると問題点が生じます。免疫の場合も然りです。

免疫系の活動が長期間に渡ると非常に難儀な点が生じます。

突然ですが、現在も紛争が続いているシリアを想像してみてください。シリアでは、政府軍と反体制派が衝突を繰り返しています。

そこは、もともとはがある程度あったはずです。建物も人が満足して過ごせるくらいには、綺麗な状態だったはずです。

しかし、衝突が勃発すると、その場所を舞台として、両者が銃や手榴弾などの武器を手にして、銃声や爆発音を轟かせながら激しく争うことになります。

戦場となった場所は、両者が立ち去った後には、焼け野原が残るのみ。紛争のせいで、もとあった緑は枯れ、いや、もはや跡形もなくなり、建物は廃墟と化します

荒れ果てた地のみが寂しく残ることになるのです。

免疫系の活動も、炎症を治癒させるために様々な武器を手にして激しく闘っているような状態です。

この状態が続けば、血管や筋組織といった身体の組織が次々に破壊され、焼け野原(炎症)が広がってしまう

身体の異常を治そうとしているけれど、その過程で次から次へと別の問題を作ってしまうわけですね。

免疫系が活動しまくった結果……

この状態が続くと、身体の組織がどんどんと壊され、脆くなっていき、ますます生活習慣病が進んでしまったり、心臓病、糖尿病等の発症リスクが上がったり、アレルギーが発症したりします。

慢性炎症によって免疫系が過剰に働き、その結果新たな慢性炎症が生じるという負のスパイラルが生じてしまいます。

そのため、もともとの患部のみにとどまるのではなく、じわじわと全身に飛び火していくことになってしまいます。

脳にまで飛び火するケースもあり、これが鬱病やアルツハイマー病に影響する可能性もあるのだとか。

慢性炎症の怖さ

「慢性炎症」、控えめに言ってもとても怖くないですか?

非常に恐ろしい負のスパイラルを断ち切り、健康な生活を末長く送るためには、慢性炎症をいかに予防していくかが大切になってきます。

慢性炎症の原因は?

それでは、どのようにしたら「慢性炎症」を予防できるのでしょうか?

最近の研究によって「慢性炎症」については非常に理解が進んできているようなので、その中でよく挙げられている原因をいくつか挙げておきます。

この原因となっているものを少しずつでも減らしていけば慢性炎症を抑えていくことができるはずです。

①長期間に渡って続くストレス

長くストレス状態に陥ってしまうと、体内にストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールが過剰にに出てしまい、様々な疾患を生じさせます

②糖質の摂りすぎ

血中の糖質濃度が上がってしまうと、TNF-αIL-6などの物質がたくさん出てしまい、血管がたくさん傷つけられてしまいます

TNF-αとは、腫瘍壊死因子とも呼ばれる因子です。その名前のとおり、通常は腫瘍をやっつけるはたらきをするのですが、大量に出ると関節の炎症、他の様々な炎症を引き起こします。関節リウマチの患者さんを苦しませている物質ですね。

IL-6とは、インターロイキン6と呼ばれる物質です。炎症や免疫疾患と深い影響があるとされています。こちらもリウマチの患者さんを困らせている物質のようです。

③運動不足

運動不足は体内の炎症を増加させるという研究が近年出たみたいですね。

「運動不足は万病のもと」説の信憑性が上がってしまいますね。

④加工食品の摂りすぎ

加工食品には、オメガ6脂肪酸トランス脂肪酸が多く含まれています。これらは免疫系の異常反応を引き起こしてしまうようです。

結局「身体に良い」生活を送れば問題ない説

今挙げたものは慢性炎症の原因とされているもののうちの一部にすぎませんが、思い返してみると、世間で普段から気をつけるように言われているものばかりではないでしょうか?

一般的に「身体に悪い」とされているものを避けるようにしていたら慢性炎症を防げる生活習慣がある程度は身につくのだと思います。

最後に

慢性炎症は自分では気づかないうちに身体をボロボロにしてしまいます

長く健康でいるためにも、身体をいたわる意味でも、少しずつで良いので「慢性炎症」を防げる生活習慣を送っていきましょう!

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